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スマホを捨てよ、町へ出よ

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面白い記事を見つけたので、今日はこの件を取り上げてみたい。
といっても、言いたいことは下記の4枚の漫画の中で端的に述べられている。
 
対象がインターネットにしろ、書物にしろ、他人の評価がいかにあてにならないかということである。
 
これだけ情報があふれていると、なにか、インターネット上に書かれたものが信頼に足るものだと思い込みやすい。少なくとも、なんの知識もない自分自身の直感に比べると専門家や経験者の評価のほうが信頼性が高いと勘違いしやすい。
 
事実はまったく真逆である。
情報源が、インターネットにしろ、書物にしろ、所詮、他人が書いたものである。
それが、プロが選ぶ10選にしろ、就職したい企業ランキングであれ、ミシュラン3つ星であれ、信用に足るような情報はほとんどない。プロは狡猾である。あたかもあなたのような素人の直感なんて信用できないでしょ、わたしが教えてあげますよという顔をしてやってくるが、そういった顔は札束でほっぺたを引っ叩かれてできあがっている。
 
他人は信用してはいけないのである。
 
ぐるなび食べログの評価がまさに最たるものだが、そもそも、本当にいいお店というのは、ぐるなび食べログなんかに掲載したりはしない。ぐるなび食べログというのは、そもそも、お金を払わないとお店が繁盛しなくて困るようなお店しか集まっていない。それが広告というものの本質である。テレビCMを打つような商品も本来、体に悪く、粗悪で、ろくでもないような商品しかない。
 
世界中で売られている、世界一有名な砂糖水のことを考えてみればわかるが、身体に悪いのが明らかだからこそ、あれだけ莫大なスポンサードをし続けているのである。一種の免罪符である。
 
テレビCMで流れる、美しい言葉、美しい世界感、誠実さ、そういったものは、すべて免罪符であり、本当に美しくてよいことをしているひとは滅多に表に出てはこない。
 
福本伸行の漫画や孤独のグルメが流行するのは、こういった情報過多時代に対するアンチテーゼだろう。
 
孤独のグルメ 【新装版】

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スマホを捨てて、町へ出ればよい。
重要なことは、他人のモノサシに頼るのではなく、自分でモノサシを作ることである。町へ出て町を観察すると色々なことがわかる。なんの基礎知識も前評判もなく、自分の直感で選択をすると野生の勘が磨かれる。
 
ジャケ買いをしてみる
飛び込みでバーに入ってみる
町で知らないひとに話しかけてみる
無名の映画を見てみる
知らない駅で降りてみる
 
自分が選択し、自分が評価する、ということを繰り返していると他人に左右されない自分だけの評価軸ができてくる。自分だけの評価軸ができるとインターネット上の炎上のようなものがいかにくだらないかがよくわかるだろう。
 
大事なのはネットや書物上の二次情報でわかったような気になってしまうことではなく、自分から現場に行って体験し、一次情報を蓄積することである。
 
日曜日に、一度、スマホを家に置いて、町へ繰り出してみればよい。
最初は不安な気持ちでいっぱいになるだろうが、新たな世界と新たな出会いが待っているだろう。福本伸行が書いているように世界が見えてくるのだ。
 
よく、学校に子供を預けて教師に文句を言う親が問題になっているが、そもそも学校のような劣悪で異常な空間に我が子を預けるからいけないのである。ひとさまに我が子を預けるのだから、まともな教育をしてもらえると思ってはいけない。本当に正しいことは家庭の中でしか教えられないし、どうにもならない時は、学校なんて行かせないか、信頼に足る先生を自分で探してくるべきである。
 
スマホを持つことが当たり前になってしまい、レストランでもカフェでもみんなスマホを見ながら会話している。本当に相手を見て、相手の眼差しや声色、一挙手一投足を観察し、心の底に眠る機微に敏感になり、一期一会の儚い時間の中で相手を究極的に楽しませたり、相手とのドラマティックな駆け引きを楽しんだり、といったような緊張感がほとんどなくなってしまった。これは日本だけなのか世界中での現象なのかわからないが、相手と話をする時は相手に集中するほうがはるかに面白い。
 
今度、カイジがテレビ番組化するようだが、
 
町を歩いているとカイジのような人生に遭遇するかもしれない。
テレビで見るのでなく、自分で体験するほうがよっぽど楽しい。
 
寺山修司は時代を挑発し続けギャンブルの素晴らしさを賛美した。
 
今求めらているのは、ネット炎上ではなく、みずからの人生をギャンブルのように生きる生き方だろう。
 
書を捨てよ、町へ出よう (角川文庫)

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