今の日本社会に足りていないのは狂気そのものである
テレビがコンビニ化し、もはや面白い番組を作れなくなっている。
本来、芸とは狂気と背中合わせであり、ゴッホにしろ、モーツアルトにしろ、精神障害と紙一重であった。現代社会において、テレビで狂気を表現すると市民団体からクレームが来て、ネット上で炎上するしかない。つまりテレビはもう終わったのである。
そんな中、唯一、狂気を感じさせる番組ができているのがテレ東、1局である。
山田孝之は、俳優として唯一、狂気を表現しようとしている稀有な俳優である。
赤羽の頃から、この俳優の面白いところはモキュメンタリーの手法を使いながら、正常と異常の間を自由にさまようこのポジショニングである。
昔の映画やテレビには狂人が多く出ていた。
太陽を盗んだ男にしろ、狂い咲きサンダーロードにしろ、狂気を描いていた
そして、モキュメンタリーの傑作、ゆきゆきて神軍である。
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狂気といっても犯罪者を見たいわけではない。毎日、毎日、30人の人を殺して食べていたロシア人夫婦の話や、核爆弾を打つぞと挑発しあう東と西の異常そうなリーダーのニュースを毎日聴いているが、そんなものを見たいわけではない。
つまり、現実がエンターテイメントを上回る狂気な世界というのが現代社会である。
現実は小説よりも奇なりというが、大衆が求めているのは、物語の想像力であり、壮大な狂気の世界である。
山田孝之君には物語の想像力を生み出せる俳優さんとしてぜひがんばってほしい。