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国家という幻想。ヘイトスピーチとは己に自信が持てない人間が発する承認欲求の発露にすぎない。

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嫌韓や嫌中という言葉が一般化されて随分経つ。街中でヘイトスピーチのデモが繰り広げられ、それに反するデモが続く。
 
一見、自国を愛する人間が他国や他民族に対する排他的な主張を行っているように見える。だが、残念なことに彼らが行っていることは国家という幻想によりかかった己の自尊心の穴埋めにすぎない。
 
在日はどうとか中国人はどうだとか大声で叫ぶ人間の半分は韓国にも中国にも行ったことがない。そして、残りの半分はお金をもらってやっているだけである。
 
全く同じことが他国にもいえる。中国や韓国で反日運動をする人間たちは政府やマスコミの作り上げた日本という幻想に対するイメージを作り上げ、自国の偉大さというベールで、己のふがいなさや自信のなさを覆う。覆わなければ、誰も承認してくれないというやり場のない不安に襲われて仕方がないのである。
 
男とつきあったことのない女は、男ってみんなこうだよね、と同性に共感を求める。女とつきあったことのない男は、女は信じられないとか、女はみんな馬鹿だと自己を正当化する。生身の異性と接したことがないからリアルに想像できないのである。そして、人によっては、己が作り上げた幻想が肥大化しすぎて、リアルな相手の行動との差が大きくなりストーカーになる。彼らがストーキングしているのは生身の相手でなく、自分が作り上げた妄想である。
 
自国に対するアイデンティティというのは、多くの場合、親との関係性に原因がある。親に認められなかった子供時代の穴埋めが愛国であり、嫌韓であり、嫌中である。つまり、これは極めてパーソナルな行動なのである。
 
2chに今日も多くのヘイトスピーチがあふれる。中国人はこうだ、韓国人はこれだから困る。そういった書き込みをする多くの人間は中国人の友達も韓国人の友達もひとりもいない。多くの友達がいれば「中国」「韓国」という幻想は融解していく。中国人や韓国人という人間はいないのだ。ひとりの人間がいて、その人間が中国や韓国という土地に生きているに過ぎない。
 
国家や民族について排他的に語る人間がいれば、彼が語っているのは極めてプライベートな親との関係性だと捉えればよい。あるいは恋人ができない、仕事に就けない。そういった自己のプライベートな問題のすり替えと思えばよい。
 
つまるところ、彼らは自分を承認してほしいだけなのである。